アートで広げるみんなの元気プロジェクト(以下、元気プロジェクト)では、東日本大震災により甚大な被害を受けた浜通り地域にお住まいの方々と復興公営住宅にお住まいの方々を対象として、アートのワークショップを開催しています。
元気プロジェクトには、大きく2つの目的があります。1つ目は、創作活動を通した自己表現や生き甲斐の創出、人々の交流による地域コミュニティの再構築を支援することです。2つ目は、ワークショップで制作した作品等を用いて、福島県の「元気な姿」「復興している様子」を広く発信することです。
2023年度も被災者支援団体や文化活動団体、商工会や観光協会など多くの方々の御協力をいただきながら、県内外のアーティストと多様な表現を取り入れたワークショップを企画・運営しました。
2023年度の元気プロジェクトは、浜通り地域の活性化の一助になることを目的とし、同地域の自治体、観光交流・商工関係団体、教育機関等と連携し、地域で開催されるお祭りなどのイベントに出展しました。
そこでは地域の魅力の再発見や愛着につながるようなアートのワークショップを行いました。
小高つながる市は、マルシェを介して小高の住民と来訪者・住民同士をつなげることを目的に、子どもから大人まで楽しめるイベントとして、2019年4月から開催されています(主催:小高つながる市実行委員会、icoi)。第6回小高つながる市は「こえをきく」をテーマに開催され、多くの人が訪れました。
元気プロジェクトは、ワークショップエリアにスペースをお借りして、小原風子先生のワークショップ「ころころさんをつくろう」を開催しました。
また、つながる市の開催前に、相馬総合高等学校と相馬高等学校の美術部のみなさんと「相双のかたち・私たちのかたち」をテーマとした作品制作を行い、小高つながる市の会場に展示しました。
富岡えびす講市は、今年度で93回目を迎える歴史ある富岡町のお祭りです(主催:えびす講市運営委員会)。震災以前は富岡町中央商店街で開催されていましたが、2011年の東日本大震災と原子力発電所の事故により6年間は開催を中止。7年ぶりに復活した後も、旧富岡町立第一小学校校庭に場所を移しての開催となっていました。今年度は13年ぶりに富岡町中央商店街での開催となる記念すべき回となりました。
元気プロジェクトはお祭り会場の一角にテントをお借りして、小高つながる市と同じく、小原風子先生のワークショップ「ころころさんをつくろう」を開催しました。
また、えびす講市の開催前には、福島県立ふたば未来学園中学校美術部の生徒さんと富岡町放課後児童クラブの子ども達とワークショップを開催し、「富岡町にぎわいダンス・アニメーション」を制作しました。
さらに、写真撮影をしながら富岡町内を巡るワークショップ「まちと私の小さな写真旅」も開催し、えびす講市と同時開催されていた「第37回福祉まつり」の会場(富岡町総合福祉センター)で展示しました。